[マドリード 26日 ロイター] - スペイン政府は26日、新型コロナウイルス感染拡大阻止に向けた外出制限措置を少なくとも4月12日まで延長すると発表した。

サンチェス首相は議会で「外出制限の延長は容易なことではないが、新型コロナの感染を予防する唯一の効果的な選択肢だ」などと述べ理解を求めた。

新型コロナ感染による死者は一晩で655人増え、4089人に達した。

スペインでの死者数は前日、発生源となった中国を超え、イタリアに次ぎ世界で2番目に最悪の水準となった。

なかでも大きな打撃を受けているのが介護施設に暮らす高齢者たちだ。新型コロナの感染が深刻なマドリードでは、こうした高齢者らの感染や死亡が急拡大しており、政府当局は早急な対応を約束している。

患者人権擁護団体の代表は「高齢者が見捨てられている」と危機感を表明した。

スペイン全体の新規感染者は18%増加して累計5万6188人となり、過去数日に比べると増加ペースは鈍化した。当局者は、大規模な新型コロナ検査実施が始まったことを踏まえ、感染者数は今後増加する見通しと指摘した。一方、保健当局者は議会に対し、感染拡大ペースが「安定局面に差し掛かりつつある兆候」との認識を示した。

<医療用品の調達、「戦闘」状態>

累計の感染者数が世界4位となる中、スペインでは衛生・医療用品不足が深刻になりつつある。

マリア・ヘヘス・モンテロ予算相は地元テレビで「人工呼吸器、マスク、検査キットの確保はまさに『戦闘』状態。世界中で中国からの調達競争が激化している」と語った。

スペインは新型コロナ対応でこれまでに4億3200万ユーロ(4億7140万ドル)分の医療用マスクや手袋、検査キットを中国に発注。外交筋によると、一部製品の価格は10倍に跳ね上がり、中国の業者が前払いを要求するなどの例も報告されている。

また、保健当局筋によると、中国の一部空港では医療用品を購入するための航空機の列ができているという。

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