[ワシントン 19日 ロイター] - 米労働省が19日に発表した14日終了週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比7万件増の28万1000件と、市場予想の22万件を上回って増加した。申請件数は2017年9月以来の高水準。新型コロナウイルスの感染拡大で企業によるレイオフ・解雇が増加していることが示唆された。

前週の申請件数の改定はなかった。

労働省は当該週の申請件数の急増の背景に新型ウイルスの感染拡大があったと指摘。「複数の州で新型ウイルスに関連したレイオフが報告された。また、新型ウイルスへの直接的な言及の有無にかかわらず、多くの州でサービス、宿泊、食品サービス、輸送、倉庫の各分野でのレイオフが報告された」とした。

労働省によるとペンシルベニア州だけが推計値を出した。労働市場の動向をより正確に反映するとされる4週間移動平均は前週比1万6500件増の23万2250件だった。

今回の失業保険申請件数は3月の雇用統計と調査期間が重なっている。2─3月に申請件数が6万6000人増加したことは、今月の雇用の伸びが鈍化していることを示している。

失業保険受給者総数は7日までの週に2000件増の170万件。4週間移動平均は7000件減の170万件だった。

エコノミストは今後の経済鈍化がU字回復になる公算が大きいと予想。JPモルガンは18日、米経済成長率は第1・四半期はマイナス4%、第2・四半期はマイナス14%に落ち込むと分析したほか、今年の失業率は5.3%に上昇するとの見方を示した。

JPモルガンのエコノミスト、マイケル・フェローリ氏は「失業率が現状より大幅に上昇して今年を終えるという事実からすると、V字回復と言うにはふさわしくない」とし、「第3・四半期が力強い回復になっても、その強さは労働市場で予想されるダメージを帳消しにするには不十分だ」と述べた。

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