[マニラ 19日 ロイター] - フィリピン中央銀行は19日、政策金利の翌日物リバースレポ金利を50ベーシスポイント(bp)引き下げ、3.25%とした。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、市場予想を上回る大幅な利下げに踏み切った。ロイター調査では、エコノミスト13人中9人が25bpの利下げを予想していた。

2018年の利上げ局面以降で、5度目の利下げとなる。

主要国中銀は、新型コロナの感染拡大を受けて、積極的な金融緩和に踏み切っている。フィリピン政府は、新型コロナの感染拡大を受けて、今年の経済成長率が目標の6.5-7.5%を下回るとの見通しを示している。

同国の新型コロナ感染者は2週間弱で3人から202人に増加。17人が死亡している。

中銀は声明で「隔離措置が感染拡大ペースの鈍化に寄与する可能性はあるが、それに伴う産業や民間支出の混乱で経済成長が短期的に押し下げられる可能性が高い」と表明した。

中銀のジョクノ総裁は、銀行への流動性供給や融資拡大に向けた一連の対策も発表した。

キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、アレックス・ホームズ氏は、人口の半分以上が厳しい自宅隔離の対象となっており、今年の経済成長率はゼロになる可能性が高いと予測。

中銀は、預金準備率の引き下げやターム物預金ファシリティー入札の停止など、景気支援のために「金融政策手段を総動員」する用意があると表明していた。

中銀は、今年のインフレ率予測を3.0%から2.2%に修正。今年と来年の目標レンジは2-4%となっている。来年のインフレ率予測も2.9%から2.4%に修正した。

INGのエコノミスト、ニコラス・マパ氏は、フィリピンには問題が山積しており、金融政策だけでなく財政面で大規模な対応も必要だとの見方を示した。

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