[ワシントン 18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は18日夜、緊急信用プログラム第3弾として、マーケット・ミューチュアル・ファンド(MMF)から購入した資産を担保として差し出す銀行に最大1年間の貸し出しを行うと発表した。

緊急信用プログラムの発表はここ2日間で3回目。

新設される流動性ファシリティーはボストン地区連銀が運営する。3兆8000億ドル規模のMMF業界が、保有する米国債などの質の高い資産を投資家の求めに応じて売却できるように「家計と企業向け信用フロー支援」を行う。

FRBが発表したのは「マネー・マーケット・ミューチュアル・ファンド流動性ファシリティー」。MMFに投資家からの解約が殺到した場合も、MMF業界が機能不全に陥らない体制を整備する。

FRBは事実上、銀行にMMFからの資産購入を促し、MMFが解約請求に応じて保有資産を安値で売却することを防ぐ。

MMFは家計・企業向けの低リスクの金融商品とされるが、銀行預金とは異なり、預金保険の対象とはならない。2008年の金融危機では、リーマン・ブラザーズのコマーシャルペーパー(CP)に投資していたMMF「リザーブ・プライマリー・ファンド」が元本割れとなり、市場に懸念が広がった経緯がある。

これまでのところ、MMFの解約請求は膨らんでおらず、MMFの資産総額は先週940億ドル近く増加しているが、投資家の現金化需要は高まっている。

クレーンデータ・マネーファンド・インテリジェンスのピーター・クレーン社長は「今の市場の状態が何日も、もしくは何週間も続けば、状況は変わり得る」と指摘。

FRBは銀行がMMFから購入した資産を自己資本規制の対象外とする方針を示しており、銀行にとってはMMFから資産を購入するインセンティブが高まる。

融資はボストン地区連銀を通じて行う。財務省為替安定化基金が100億ドルの信用保証を行う。

*内容を追加しました。