[東京 13日 ロイター] - アジア時間の原油先物は3日続落。新型コロナウイルスの感染拡大で需要が急減するとの見方が背景。

北海ブレント原油先物<LCOc1>は週間ベースで1991年以来の大幅な下げを記録する見通し。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物も週間ベースで2008年以来の大幅な下げとなるとみられている。

0317GMT(日本時間午後0時17分)現在、北海ブレントは0.47ドル(1.4%)安の1バレル=32.75ドル。前日は7%以上急落した。週間ベースでは約28%安と、湾岸戦争が始まった1991年1月18日の週(29%)以来の下げを記録する見通し。

WTIは0.54ドル(1.7%)安の1バレル=30.96ドル。前日は4.5%値下がりした。週間ベースでは25%安と、世界的な金融危機のさなかの2008年12月19日の週(27%)以来の大幅な下落となる見通し。

新型ウイルスの感染拡大阻止に向けた移動制限やイベント中止などで経済が打撃を受け、原油需要が圧迫されている。

石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」の協調減産を巡る協議決裂を受け、サウジアラビアに続きアラブ首長国連邦(UAE)も11日、産油量を4月から増加させると表明。これも原油安を促す要因となっている。[nL4N2B447P]

コンサルティング会社のユーラシア・グループは「コロナウイルスで数年ぶりに世界の石油需要が減少する中、サウジとロシアの石油生産が急増しており、日量400万バレルの供給過剰となる可能性がある」との見方を示した。

日量400万バレルは、コロナウイルスの感染が拡大する前の世界の1日当たりの消費量の約4%に相当する。

日米株価の急落も原油価格を圧迫する要因となっている。

エネルギー問題に詳しい米専門家ダニエル・ヤーギン氏は、新型ウイルス感染が世界に広がり、サウジとロシアが供給を増やそうとする中で、原油市場が落ち着くにはまだ時間がかかる可能性があるとの見方を示した。

ただ、原油価格の急落を受け、米エネルギー会社の間では、投資・掘削計画を縮小する動きも出ている。

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