[東京 9日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は9日、参院予算委員会で、2日の総裁談話に基づき潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めると述べた。内外市場の動向を注視し「適切に躊躇なく対応していく」と強調した。一方、麻生太郎財務相は、3日の主要7カ国(G7)電話会談で「金融(政策)でやれる範囲はかなり限られたものになってきているので、財政を出動すべきだ」とする日本の立場を説明したと述べた。

木戸口英司委員(立憲・国民、新緑風会・社民)への答弁。

足元の株安・円高について、黒田総裁は「新型コロナウイルスの感染拡大によって経済の先行きに対する不透明感が強まり、投資家のセンチメントが非常に悪化している」と指摘した。

麻生財務相は円高進展について「神経質な動きが出ている」とし、「緊張感を持って為替を見る」と述べた。ただ、為替介入の有無は「極力(言及を)避ける」と話した。

黒田総裁は、G7声明で、中銀の役割として経済成長と物価の安定を支えるとともに金融システムの頑健性維持を明確化したことに触れ、「経済の不透明性、金融市場の不安定に中央銀行として最大限の努力を払って安定を図っていきたい」と語った。

(和田崇彦 編集:高木匠)