【シン・ニホン】「はじめに」特別公開

2020/3/11
25万部超の名著『イシューからはじめよ』から9年。

安宅和人氏が新著『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』(NewsPicksパブリッシング)を刊行した。

本日夜、WEEKLY OCHIAIに出演することを記念し、特別に本書の「はじめに」を公開する。
「安宅さん、この〝シン・ニホン〟、ちゃんと本にしたほうがいいです」
ある嵐の日、対談を終えた後、その相手だったS氏(脚注1)に、しっかりと目を見て、真剣かつ真摯に言われた。
「でも、シン・ニホンという言葉を2016年のTED×Tokyoで生み出してからもう3年、何十回、もしかしたら100回近くさまざまなところで話をしてきました(2)。財務省の方によると、今でもホームページに上がったシン・ニホンの資料(3)へのアクセスは群を抜いて多いそうです。今さらだと思うが」
そう言うと、S氏は首を振った。
「それでも、まとめて紙で出すべきです。このままでは、届くべき多くの人に届かないのです。間に合わなくなります」
めずらしく重い球を受け取り、「シン・ニホン」を書くのか、と頭がいっぱいになった。夜中に目が冴え、起き上がり、よし書こう、そう決意した。
『シン・ニホン』……この少々変わったタイトルで話すようになって、もうかれこれ3年になる。このタイトルの由来は本書を読んでいただければわかる。
2019年秋現在、日本には不安と停滞感、現実を直視しない楽観、黄昏感が満ちている。悲観論や批判ばかりの人、危険を煽るだけの人も多い。