[東京 6日 ロイター] - 総務省が6日発表した1月の家計調査によると、2人以上の世帯の実質消費支出(変動調整値)は前年比3.9%減の28万7173円となった。暖冬により、スキーなどのレジャーや冬物家電での消費支出が減ったことが影響した。ロイターの事前予測調査では同4.0%減が予想されていたが、予測をわずかに上回る水準にとどまった。

総務省によると「記録的な暖冬で、さまざまな費目の支出が減少した」という。新型コロナウイルス感染拡大の影響については、調査実施時点で大きな影響はみられなかったと説明した。

季節調整済み実質消費支出は前月比1.6%減だった。

<暖冬でレジャー、冬物家電の需要減>

費目別では、エアコンやストーブなど家具・家事用品が前年比11.7%減、ガソリンなどの自動車等関係費を含む交通・通信は7.9%減。暖冬でエアコンやストーブなどの需要が減ったほか、1月の後半は天候不順でスキーなどのレジャー需要も減少し、ガソリンの支出が減った。

外国・国内パック旅行などを含む教養娯楽は6.1%減。香港の情勢不安や日韓関係の悪化で、香港や韓国向けのパック旅行は減少傾向となっている。

そのほか、私立大学・高校などの授業料等(前年比13.1%減)などが減少した。

パソコン・テレビなどの教養娯楽は同6.1%減だったが、教養娯楽用耐久財の質増減率への寄与度としてはプラス。ウィンドウズ7のサービス終了に伴いパソコンの買い替え需要が高まったほか、東京五輪開催を控えていることや、11年に開始された地上デジタル放送から約10年経ったことでテレビの買い替え需要も増加した。

<増税後の反動減は回復、今後は新型肺炎の影響に警戒>

今回の調査結果について、総務省は「増税後の反動減から回復しているが、引き続き今後の動向に注視が必要」と指摘。前回2014年4月の増税時と比較すると、3カ月経った同年7月は前年比5.9%減だったのに対し今回は同3.9%減で、「前回の増税時の反動減ほど悪くはない」とみている。

新型ウイルスの感染拡大については「現時点で(消費への)大きな影響はみられない」(総務省)。ただ、マスクなどを含む「保健用消耗品」の項目は前年同月比17.8%増加したという。

2月以降は新型ウイルス感染の影響がさらに出てくるとみられる。総務省は「外出の自粛ムードが高まっていることで、教養娯楽などの消費支出に下押し圧力がかかるのではないか」と警戒感を示した。

(浜田寛子 グラフ作成・編集:田中志保)