[ロンドン 5日 ロイター] - 英政府の最高医療責任者を務めるクリス・ホイッティ氏は5日、感染が広がる新型コロナウイルスについて、英国は政府が策定した4段階の対応策のうち「感染拡大のスピードを遅らせる」段階に入っていると指摘した。委員会で議員からの質問に応じた。

英国内で市中感染が起こっている可能性が極めて高いとし、新型ウイルスの封じ込めを試みるのは、今や楽観的すぎるとの認識を示した。

英政府の新型ウイルス対応策は「封じ込め」「感染拡大を遅らせる」「原因の研究」「影響緩和」の4段階で構成。第2段階に当たる「拡大を遅らせる」では人の移動に規制措置がとられる可能性がある。

英国で確認されている新型ウイルスの感染は90例。ただ経済への影響を懸念して、移動規制や大規模な集会の中止などの措置は取られていない。

ジョンソン首相はITVテレビで、緊急時科学助言グループ(SAGE)が感染拡大を遅らせるために、「かなり厳格なものからよりターゲットを絞った介入まで」多岐にわたる選択肢を検討していると指摘。大規模な集会の中止などに関する質問に対しては「科学者の助言を確認する」と述べた。

首相報道官は対応策が第2段階に移行した段階で正式に発表するとした。

ハンコック保健相は、新型ウイルスの感染拡大への対応に向け、「厳しい」数週間になると警告する一方、現時点では学校や大学の閉鎖などは計画されていないとした。

ホイッティ氏は、高齢者の方が新型ウイルスによって重症化しやすいため、高齢者が上院など公共の場に近づかないようにする措置が取られる可能性があるとした。

一方、リースモグ下院院内総務は議会で、下院を閉鎖する計画はないと述べた。

*内容を追加しました。