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円暴落からのXデーの可能性

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円(通貨)の信用の基礎は必ずしも日本銀行(中央銀行)の信用にあるわけでなく「自分を含むすべての人が円に安定した価値を認め、1万円札は何時でも1万円相当のモノやサービスと自由に交換できると信じている」と信じることができるところにあるのです。
かつて政府が日本の市中銀行を公的資金で救う方向に乗り出したことがありましたが、日銀が相場の暴落で大損する事態になれば、当然、政府は救済に乗り出すでしょう。政府と日銀が一体になって事態を納めることが出来ると皆が信じ、1万円札が1万円の価値を保つと認める限り、日銀の債務超過が直接的に円の暴落に繋がることはないように思います。
とはいえ、円が暴落するリスクがないかといえば、そういうわけでもありません。
日銀法の第4条は「日本銀行は、その行う通貨及び金融の調節が経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、それが政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない。」と定めています。ここに「政府の経済政策」とあるが日本の特殊といえば特殊なところです。
先進各国の中央銀行が政府からの独立性を保証されるのは、お金を使いたがるのが宿命の民主国家の政府に通貨のコントロールを任せると、選挙民の歓心を買うためカネをばら撒きたい、株価を上げるためカネを使いたい、といった欲求に押されて通貨の発行が甘くなるからです。その日本銀行に「政府の経済政策と整合的なもの」を求めたら、独立性を保証する意味が薄れます。独立性を巡るかつての日本銀行の抵抗は、この点にこそありました。
ところが大胆な金融政策と機動的な財政支出の拡大、なかでもリフレ的な金融政策を主張し続けた当初のアベノミクスの方針の下、黒田総裁の日銀は、長期国債を大量に買って財政支出を支え、株を買ってまで株価の維持に努め、政府と完全に一体化して進む方向に舵を切ったのです。その結果、政府の赤字と借金はますます積み上がり、日銀のバランスシートが世界でも類を見ないほどに膨らんで、政府にも日銀にも、いざという時の対応余地が乏しくなっています。
日銀の債務超過といった非常事態が円の暴落に繋がる可能性は、こういった構図の拡大の中にこそ潜んでいるように感じます (^_-)-☆