[シンガポール 25日 ロイター] - シンガポール航空<SIAL.SI>は、新型コロナウイルスの感染拡大で需要が減少していることを受け、輸送能力を10%近く削減し、地上勤務員の採用を凍結している。

ロイターが入手した従業員向けの社内文書で明らかになった。支出も延期しているという。

同社は2月から5月末にかけて3000便以上の運航を一時停止している。これは同社が予定していた輸送能力の9.9%に相当する。

社内文書については、シンガポールのストレート・タイムズ紙が最初に報じていた。

シンガポール航空のゴー・チュンポン最高経営責任者(CEO)は同文書で「市場の需要パターンの変化に対応するため、引き続き迅速かつ柔軟に輸送能力を調整する」と表明。

「サプライヤーやパートナーと積極的に連絡を取り、追加の影響緩和策について協議した」と述べた。

同社は状況を注視しており、必要な場合、追加の対策を講じるが、長期的な競争力に影響はないとしている。

同社は今月、新型ウイルスの感染拡大で需要が低下しているため、3月から5月まで世界中で一時的に減便するとウェブサイトで発表。対象となる路線は、ロサンゼルス、フランクフルト、パリ、東京、ソウル、ジャカルタ、シドニー、ムンバイなど。輸送量をどの程度削減するかは明らかにしていなかった。

香港のキャセイ・パシフィック航空<0293.HK>は、輸送能力を40%削減したことを明らかにしている。