[東京 21日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比65円34銭安の2万3413円81銭となり、反落した。前日の米国株式市場は下落したものの、外為市場で円安が進んだことが支えとなり、安寄りした後は一時プラスとなる場面もあった。ただ、週末とあって次第に模様眺め気分が強まり、前場終盤はジリ安となり、きょうの安値付近で前引けた。

20日の米国株式市場は、新型コロナウイルス感染拡大を受けて経済への影響を巡る懸念が高まり、マイクロソフト<MSFT.O>、アップル<AAPL.O>、アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>などの情報技術(IT)株が売られ、主要3株価指数が反落した。

一方、外為市場ではドル/円が112円台まで円安に進んだことが注目された。自動車株などが朝方から買い優勢となった反面、同じ輸出関連株でもIT絡みの銘柄は軟調に推移するなど、全体的には強弱感が対立している。

市場では「土日の間に、新型コロナウイルスに関して悪材料が出る可能性もあるため、週末事情も手伝い模様眺めとなっている」(国内証券)との声も聞かれた。後場も弱含みとなることが想定されている。 TOPIXは0.06%高とプラスで午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆0046億3900万円だった。東証33業種では、保険業、石油・石炭製品などが上昇し、パルプ・紙、精密機器などが下落した。

個別では、トヨタ自動車<7203.T>など自動車株に堅調な銘柄が目立ったほか、ソフトバンクグループ<9984.T>も商いを伴い上昇した一方で、ソニー<6758.T>、東京エレクトロン<8035.T>などがさえない。 東証1部の騰落数は、値上がりが986銘柄に対し、値下がりが1048銘柄、変わらずが124銘柄だった。