[ワシントン 20日 ロイター] - 米国は20日、イランの自由で公正な選挙を妨害したとして5人のイラン当局者に制裁を課すと発表した。

イランでは21日、政権の政治、経済問題への対応を巡る国民投票とも位置付けられる議会選挙が実施される。米国が制裁対象としたのは、立候補者の審査を行う監督者評議会のアフマド・ジャンナティー書記のほか、監督者評議会メンバー1人と選挙監視委員会のメンバー3人。米国内の資産が凍結されるほか、米国人との取引が禁止される。

監督者評議会は約1万4000人の候補者のうち、約6850人の穏健派、もしくは保守派の候補を失格としたほか、現職議員の約3分の1の再選を禁止した。

ムニューシン財務長官は声明で「トランプ政権は選挙介入を容認しない。こうした介入は国民の自由な意思による代表選出の阻害に政権幹部がくみしていることを示している」とした。

国務省のイラン特別代表、ブライアン・フック氏は記者会見で「イラン政権は立候補できる人物を事前に選定することで国民を代表する議会の成立を阻んでいる」とし、「選挙で選ばれていない少数の人物が立候補を希望する人の半数を失格としている実態は選挙とは言い難い」と述べた。

フック特別代表は、イランでは最高指導者が権力を握り続けるため、議会選挙後も対米外交政策は変わらないとの見方を示した。