[北京 19日 ロイター] - 中国外務省の耿爽報道官は19日の定例会見で、同国を「アジアの本質的な病人」と指摘したコラムを巡り謝罪を拒否したとして、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の3記者の記者資格を取り消したことを明らかにした。また、米政府が中国の主要国営メディア5社に対して導入した新規制に断固反対すると表明した。

問題のコラムは2月3日に掲載された。耿報道官によると、中国側はコラムが人種差別的で中国の新型肺炎への対応を非難しているとして、数回にわたりWSJに抗議したが、WSJは謝罪や関係者への調査を拒否したという。

「中国国民は、人種差別的な意見を報道したり、悪意をもって中国を攻撃するメディアを歓迎しない」とし「よって、北京駐在のWSJの記者3人の記者証を本日から無効とすることを決定した」と述べた。資格取り消しとなった記者名は明らかにしなかった。

WSJの報道によると、ジョシュ・チン副支局長と記者2人が5日以来に中国を出国するよう命じられたという。

トランプ米政権は18日、米国に拠点を置く中国の主要国営メディア5社を大使館と同等に扱う方針を明らかにした。これらの国営メディアには、職員名簿や米国内で保有・賃貸する不動産を国務省に登録するよう義務付ける。

耿報道官は、新規制に断固反対すると述べ、中国はこれに対応する権利を有すると主張した。

ポンペオ米国務長官は中国の決定を非難。 声明で「成熟した責任ある国家では、自由な報道機関は事実を報道し、見解を表明するものと理解されている。正しい対応は反論することであり、言論を統制することではない」とした。

中国外国人記者クラブ(FCCC)も「深く懸念し、強く批判する」とし、遺憾の意を表明した。

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