‘The West Is Winning,’ Pompeo Said. The West Wasn’t Buying It.

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注目のコメント

• 神保 謙

  慶應義塾大学 教授

  ・2020年02月16日

  「西側諸国は勝利する」、とのポンペオ演説。ミュンヘン安保会議の年次レポートが「Westlessness（西側不在）」というタイトルだったことへの対論として演説を作ったのだろう。しかし肝心の演説は西側の定義もままならないまま民主主義や経済発展の議論を続けるが、比較体制論の基礎さえ踏まえない内容で唖然とする（例えばアジアの発展がFree Nationによって達成されたと言っているが、そもそも開発主義が主導した発展モデルが踏まえられていない。そもそもアジアでは（世界的にも）デモクラシーが後退している。そしてなぜか演説ではベトナムがwestward pathの成功例として挙げられながら、その後にラテンアメリカの権威主義体制が転換したことを称えるなど、分類上めちゃくちゃだ）。こうした内容の空疎さもさることながら、このような内容がミュンヘン安保会議でウケるとでも判断したポンペオ長官と米国務省のセンスを疑うに十分であった。