[ワシントン/ソウル 13日 ロイター] - 米国務省は13日、中国を中心に感染が広がっている新型コロナウイルスを巡り、北朝鮮に影響が及ぶ可能性に「深い懸念」を示し、同国での感染拡大阻止に向けた取り組みを支援する用意があると表明した。

同省のオルタガス報道官は、声明で「北朝鮮でのコロナウイルス拡散を食い止める米国や世界の援助・保険機関の取り組みを強く支持・激励する」と述べた。赤十字がウイルスの流行を阻止するため、北朝鮮への制裁を早期に免除するよう求めたことを受けた。

同報道官は「米国はこれらの機関からの(北朝鮮向け)援助を迅速に承認する用意がある」とした。

国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)はこれより前、制裁の免除によりIFRCの北朝鮮支部への銀行送金を可能にすることが「人命救助に向けた介入に欠かせない」と強調。感染拡大の可能性に備えるため、防護装備や検査キットの供給が急務となっていると訴えていた。

北朝鮮は核・ミサイル開発を巡る国連安全保障理事会の制裁で、さまざまな取引や貿易が禁止されている。

同国では新型コロナウイルスによる肺炎の感染例は確認されていないが、国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、国内での隔離期間が30日間に延長され、すべての政府機関や北朝鮮に在住する外国人は「無条件に」従わなければならないと伝えた。[nL4N2AD1BV]

北朝鮮はすでに近隣諸国との間で航空便や列車の運行を取りやめ、最近入国した外国人には数週間の強制検疫を実施、海外からの観光客受け入れも中止しており、国の閉鎖に拍車がかかっている。[nL4N2A426A]

一部の韓国メディアは、北朝鮮で複数の感染例があり、死者が出ている可能性もあると伝えているが、平壌に拠点を置く世界保健機関(WHO)の当局者らは米ラジオ局に対し、感染が確認されたとは聞いていないと話している。

IFRCは北朝鮮支部で500人のボランティアを動員した。中国との国境に最も近い4つの省にアクセスできる唯一の援助機関という。

*内容を追加しました。