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核融合が既存の原子力を置き換えるというビゴITER機構長の発言ですが、私は懐疑的です。
というのも、ITERの核融合方式であるトカマク型磁場閉じ込め方式は、本質的にデイロングの定常運転ができないためです。
今世紀中はせいぜい数時間が関の山でしょう。

というのも、トカマク型磁場方式はドーナツ型の環状磁場で核融合プラズマを閉じ込めるものですが、磁場と同時にドーナツ型の環状電流も必要だからです。
この環状電流は、ドーナツの穴に突き刺したソレノイドコイルを使って電磁誘導の原理で流します。
ということは、ソレノイドコイルに流す電流は一定の割合で増大させることが必要になり、ソレノイドコイルに流せる電流値が上限に達すると、そこで運転は一旦終了となります。

そこで世界各国で非誘導電流を流す様々な方式が検討されています。
そのなかで駆動効率が良いのは、外部の加速器で駆動した定常ビームをドーナツに打ち込むというものです。
しかし、これも現状の技術レベルでは連続運転時間はせいぜい数時間が限度です。

長くなりましたが、ITERの延長線上にある核融合方式では、ベースロード電源になるのは難しいということです。

しかし、ピーク電力が発生する日中だけ運転する核融合炉というのは、なかなか魅力的な解ではないかと考えます。
ピーク電力を賄う火力発電を置き換え、CO2排出量を減らすんです。

そういうわけで、私は核融合は既存原子力を駆逐するものではなく、むしろ火力発電を置き換える勢力ではないかと考えます。
先月末のビゴ機構長訪日時の取材に合わせ特集頂きました。

ITER計画の進捗だけでなく、核融合発電の仕組みや、固有の安全性、更にはいわゆる核のゴミ問題における優位性などにも触れていただき、また我々の見立ての商用化時期など詳しく書いて頂きました。

最後にこれまでより一歩踏み込んだ発言「いずれ既存の原子炉をも代替していく」に注目して頂きたいと思います。日本にとってもこの意味は非常に大きいです。

まさにこれから人類初の規模でのリアクター組立などヤマ場を迎えるので気を抜く事は出来ませんが、フュージョンエナジーが人類の将来のエネルギー問題解決のオプションとなる事を示すべく頑張りたいと思います。