[東京 12日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は反発した。前日の米国株式市場が堅調だったことが好感されたほか、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大の影響に対する懸念が後退し、地合いは落ち着いた。ソフトバンクグループ<9984.T>が大幅高となり、日経平均を約133円押し上げた。ただ、新型肺炎の経済への影響などはなお不透明で、積極的に上値は追いづらいという。

11日の米国株市場は、ダウ工業平均がほぼ横ばい。S&P総合500種が0.17%高、ナスダック総合が0.11%高となった。感染症研究の第一人者で中国政府の専門家チームを率いる鐘南山氏が、中国国内における新型ウイルスの流行が2月にピークを迎え、4月ごろに終息する可能性があると予想したことが注目された。

日経平均は米国株高を好感し反発スタートした後に2万3867円99銭まで上値を伸ばした。その後は2万3800円台での膠着状態が続いたが、大引けにかけて再び高値を付けた。上海総合指数<.SSE>や香港ハンセン指数<.HSI>はプラス圏での推移となり売り材料にはならなかった。11日の中国本土での新たな感染者数が、1月30日以来の低水準となったことで懸念がやや後退しているという。

個別では、ソフトバンクグループが11.89%高。米ニューヨーク州南部地区連邦地裁が11日、同社傘下の米携帯通信4位スプリント<S.N>と、同3位TモバイルUS<TMUS.O>の合併を認める判断を示し、スプリントとTモバイルの株価が大幅高となったことが材料視された。そのほか、東京エレクトロン<8035.T>は3.49%高、アドバンテスト<6857.T>は4.32%高。11日の米国株市場でフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)が2.02%高となったことが下支えとなった。ファーストリテイリング<9983.T>もプラス転換し、4銘柄で約200円日経平均を押し上げた。

TOPIXは反落。東証33業種では、ゴム製品、建設業、電気・ガス業、鉱業などが値下がり、電気機器、証券業、精密機器などが値上がりした。

市場からは「指数寄与度の高い銘柄が買われたため日経平均は底堅かった。特にソフトバンクGは新型肺炎の影響を受けづらい分、買いやすかったのだろう。ただ、上値は重い。新型肺炎の懸念は後退しつつあるが、実体経済への影響については不透明。さらに上値を追うには新たな材料が必要だ」(国内証券)との声が出ていた。

東証1部の騰落数は、値上がり796銘柄に対し、値下がりが1275銘柄、変わらずが88銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      23861.21 +175.23

寄り付き    23741.21

安値/高値   23,693.72─23,869.73

TOPIX<.TOPX>

終値       1718.92 -0.72

寄り付き     1721.26

安値/高値    1,710.68─1,721.92

東証出来高(万株) 139577

東証売買代金(億円) 26061.56