[北京 11日 ロイター] - 中国の石炭取引業者や小規模な石炭発電会社が、鉱山会社からの燃料供給を確保するために奔走している。延長された春節(旧正月)が終わり企業の活動が再開したものの、新型コロナウイルスの感染拡大の混乱が続く中、石炭需給が逼迫(ひっぱく)することが懸念されている。

セメントメーカーや化学プラントなどの工場では、操業を再開し、石炭消費は回復する見通しだ。しかし、市場では、下流部門の需要増加ペースが、石炭の生産回復ペースを上回るとの懸念が高まっている。

アナリストや4人の石炭取引業者によると、鉱山会社と長期契約を締結していない、中小規模の石炭発電会社は、スポット市場での購入を加速させている。今後数週間の供給に対する懸念が高まっているためだという。

香港の商社ノーブル・グループでシンガポールに駐在する調査担当幹部は、「短期的にみると、需要は乏しいが、供給はもっと不足する」と指摘。ただ、中国で一般炭が不足する期間は非常に短いとの見方を示した。