[ロンドン 11日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が発表した2019年第4・四半期の国内総生産(GDP)速報値は前期比で横ばいにとどまった。欧州連合(EU)離脱を巡る不透明感が経済の足かせとなった。ロイターがまとめたエコノミスト予想の中央値に一致した。

前年比の成長率は1.1%と、18年序盤以来の低水準だった。四半期の成長率が鈍化したのは12年半ば以来。ロイター調査の予想(0.8%)は上回った。

決済サービスを手掛けるイコールズ・グループのチーフエコノミスト、ジェレミー・トムソン・クック氏は「英経済は12月12日の総選挙によって閉塞した」と述べた。

項目別では、家計支出が0.1%増と、4年ぶりの低い伸びとなった。EU離脱を決めた16年の国民投票以降、大半の期間は家計支出が経済のけん引役だった。

設備投資は1.0%減。16年末以来の大幅な落ち込みとなった。

同日発表された10─12月の鉱工業生産は前年同期比2.5%減。減少率は13年第3・四半期以降で最大だった。合意なき英EU離脱に備えた11月の自動車工場閉鎖などが響いた。

12月の英貿易収支は84億5000万ポンドの黒字。金の輸出が急増したためで、金の影響を除けば、財の貿易収支は71億9500万ポンドの赤字だった。

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