[チューリヒ 7日 ロイター] - スイスの金融大手クレディ・スイス<CSGN.S>は7日、ティージャン・ティアム最高経営責任者(CEO)が14日付で辞任すると発表した。

同行では昨年、元幹部の内偵問題が発覚。経営陣の刷新を求める声が強まっていた。

後任には同行のスイス部門トップ、トマス・ゴットシュタイン氏が就任する。ウルス・ローナー会長については、取締役会が2021年4月の任期満了までの続投を支持すると表明した。

同行では昨年、ライバルのUBS<UBSG.S>に移籍したウェルスマネジメント部門の元責任者イクバル・カーン氏が内偵されていた問題が発覚。同行は、ピエールオリビエ・ブエ前最高執行責任者(COO)が単独で内偵を指示したと発表していた。

その後、元人事部門責任者のペーター・ゲルケ氏も内偵されていたことが明らかになり、スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)が独自調査を開始している。

CEOを退任したティアム氏は、元幹部2人の内偵については何も知らなかったと改めて表明。「この問題が行内を混乱させ、不安と苦痛を引き起こしたことは間違いない。こうした問題が起きたことを遺憾に思う。このようなことは起きるべきではなかった」と表明した。

後任のゴットシュタイン氏は、著名なインベストメントバンカー、ウェルスマネージャーとして知られ、同行の国内部門トップに就任。アナリストの間で次期CEO候補と目されていた。UBSの出身で1999年にクレディ・スイスに移籍した。

KBWのアナリストは「ゴットシュタイン氏はさらなる成長に向けた基盤づくりに努めるため、不安定な期間が続くだろう。現時点ではCEO変更に伴う影響は分からず、投資家は不満を感じそうだ」と述べた。

クレディ・スイスの株価は取引序盤で一時5%を超える下げとなったが、終値は0.23%高。

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