[オタワ 5日 ロイター] - カナダのドミニク・バートン駐中国大使は5日、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL] の幹部逮捕後の中国との関係悪化について、双方ともに「憤慨」しているが、建設的な協議につながる可能性のある前向きな兆しもあるとの見方を示した。

カナダ当局は2018年12月に米国の要請に基づきファーウェイの孟晩舟・最高財務責任者(CFO)を逮捕。その後、中国は安全保障に関する容疑でカナダ人2人の身柄を拘束し、カナダからのキャノーラ(菜種)輸入を禁止した。カナダの裁判所で開かれている孟氏の米国への身柄引き渡しを巡る審理の第1段階は前月、終わった。

バートン大使はカナダ議会の委員会に対し「カナダ人が拘束されたことにわれわれは非常に憤慨している。中国もかなり憤慨しており、どちらも激怒している」と述べた。

昨年9月に大使に就任した同氏は、就任後初めての中国との対話は非常に不快なものだったと振り返ったうえで、昨年の中国によるカナダ産肉類の輸入禁止解除の決定など、両国関係にわずかな改善もみられていると指摘。

「中国もカナダも問題の解決を求めている。多くの萌芽がある」と語った。

キャノーラ禁輸措置の解除に向けた協議も進展しているが、結果は出ていないと述べた。中国による新型コロナウイルス対策も称賛した。

ただ、拘束されているカナダ人2人が釈放されない限り、両国関係が修復されることはないと指摘。中国外務省は昨年12月、2人の扱いは検察の判断に委ねられたと表明している。