[東京 5日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比265円41銭高の2万3350円00銭となり、続伸した。前日の米国株高や、為替のドル高/円安が好感された。

4日の米国株式市場は、中国人民銀行(中央銀行)が大規模な資金供給を実施したことで新型ウイルスが経済に与える影響への懸念が和らぎ、主要3指数が上昇。ナスダック総合<.IXIC>は過去最高値を更新した。ドル/円は急ピッチで円安が進行し、前日の午後3時時点と比較して約60銭のドル高/円安となった。

日経平均は外部環境を好感し、続伸スタート。一時2万3406円26銭まで上げ幅を拡大した後は、上げ幅を縮小した。その後、香港ハンセン指数<.HSI>や上海総合指数<.SSEC>がプラス圏で安定的に推移してきたこともあり、日経平均は戻り歩調となり、2万3300円台半ばで前場の取引を終えた。

TOPIXは1.04%高で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆1584億4100万円となった。東証33業種ではその他金融業以外の32業種が値上がりとなった。

市場からは「アジア株がしっかりしてきたところで買い戻しが入った。ただ、新型肺炎については今後の先行きが不透明なため、積極的には買いづらく上値は重い」(eワラント証券・投資情報室長の多田幸大)との声が出ていた。「米国ではやや安心感が広がっているが、新型肺炎のリスクは物理的な距離、経済的な結びつきの深さからして日本の構造と異なる。上値は追いづらく、午後もアジア株を横目に手掛かりを探るだろう」(同)という。

個別では、ソニー<6758.T>が反発。4日に発表した2020年3月期の業績予想を上方修正したことが好感され、一時2.74%高となったものの、その後マイナス転換。前場引けにかけて再びプラス転換となり、0.35%高で前場の取引を終えた。

東証1部の騰落数は、値上がりが1701銘柄に対し、値下がりが377銘柄、変わらずが78銘柄だった。