[東京 3日 ロイター] - 森雅子法相は3日衆院予算委員会で、黒川弘務東京高検検事長の定年延長に関し、「重大かつ複雑な事件に豊富な経験を生かしていただくため」と説明し、「不自然な人事ではない」と指摘した。渡辺周(立国社)委員への答弁。

政府は1月31日、2月7日に定年退官する予定だった黒川東京高検検事長の勤務を半年延長し、8月7日までとすると決めた。異例の措置で、次期検事総長人事をにらんだものだとの臆測も出ている。

渡辺氏は「半年間の定年延長は違法、脱法ではないか」と指摘。「首相が次の検事総長にするためでないか」、「いろいろな問題に対してにらみきかせるための、逆指揮権発動と、世間では言われている」と述べた。

安倍晋三首相は「法務省として人事を決定した。法務省の考え方は森法相が説明した通り」と述べるにとどめた。

(竹本能文※)