[上海 2日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は2日の声明で、春節休暇明けの3日にリバースレポの公開市場操作を通じて1兆2000億元(1738億ドル)を金融市場に供給すると発表した。新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大する中、株式市場などへの悪影響に備える措置。声明によると、これにより市場の流動性は昨年の同時期よりも9000億元拡大する。

同中銀の公式データをもとにしたロイターの試算によると、3日は1兆0500億元のリバースレポが満期を迎えるため、ネットで1500億元の供給となる。

春節休暇明け3日の市場取引では値動きの荒い展開が見込まれる。中国株式・外国為替・債券市場は1月24日以降、休場しており、31日に取引を再開するはずだったが、新型肺炎の感染拡大を受けて延期された。

中国証券監督管理委員会(証監会、CSRC)は、2日付の人民日報に掲載されたインタビューで、取引再開がこれ以上延期されることはないとした。さまざまな要因を考慮して決定したとし、感染拡大による市場の影響は短期的との見方を示した。

また感染拡大で影響を受けた企業を支援するため、株式質権設定契約が満了する企業に期間延長の申請を認めるほか、社債投資家に償還期限の延長を促す方針を示した。

さらにパニック的な動きを緩和するため、A株市場向けにヘッジツールの導入を検討しているほか、先物市場の夕方の取引を3日から停止する。

新型肺炎ではこれまでに305人の死亡が確認されており、1人を除き全員が中国国内での被害者。中国当局は感染拡大による国内企業の打撃を緩和するため、様々な金融政策を動員して市場に流動性を供給するとしていた。

*内容を追加しました。