【独白】僕らが「D2C」で成功した全軌跡
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D2Cなどと言う認識は全くありませんでしたが、弊社も2013年から自社工場でつくるプロダクトを自社店舗とECのみで販売してきました。
これは意外と地方のものづくり系中小企業が多く取り組んでる事ですが、インタビューにもあるように「卸をしない」というのはスピードも規模も犠牲にします。
全国を見渡してもこれでスケールした企業は皆無。
やはりどこかである一定の資本を入れないと、中小企業にとっては製造・小売・流通を自社で賄うにはなかなかハードルが高い。
ECがあるじゃんと言っても、モールに出さない以上かなりの広告を打たないとなかなか消費者の目には止まらない。
地道にコツコツと、と思いながらも心折れそうになる時もありますが、個人的には共通項も多く、なかなか勇気づけられるインタビューでした。
注目のコメント
>商品、流通、価値の3つが揃うことで、我々は良いビジネスを立ち上げられましたし、それこそが我々が訴求していきたいこと
アマゾンでは売らないことを美学のように語られているし、私も素晴らしいことだと思うが、その裏では、「流通」と独自の「価値」を生み出すという、異なる分野への追加のリソース投下がバランス良く同時に求められる。
ほんの数年で立ち上げるのはとても難しい舵取りだったと思います。
私は、素晴らしいモノやサービスが、中間商流を介さない(余計なコストをかけない)で最終消費者まで適正価格でたどり着く世界が理想だと考えています。
現在、そんな世界にはまだ遠いけれど、まずは、D2C企業が多くなることと、リスクを取らない卸業者が極力排除され、(利益を独占しない)大きなプラットフォーム企業に集約することによる二極化。二つの大きな陣営の併存なのかなと思っております。D2Cがうまれたのはニューヨークやサンフランシスコではない。ここ日本だ。
D2Cとは、日本の優れた「禅」の思想に基づいた製品設計と、ストーリーテリングを顧客コミュニケーションのコアにおいた「おもてなし」を、アフターデジタル流にインテグレートしたものだ。
プロダクト開発ならユニクロや無印良品が余計な機能を削ぎ落とした「シンプルイズベスト」でありながら「高品質」や「哲学」を徹底的に追い求めている。よりシンプルで低価格を徹底的に貫いている存在なら、ダイソー、アイリスオーヤマなどがいる。
ビジネスモデルやストーリーはZoff、JINSが低コストで高品質なプロダクトづくりの道を切り拓いた。
コミュニケーションセールスは古くは再春館製薬所、やずや、山田養蜂場などが確立し、大手巨大メーカーが君臨する業界に風穴をあけた。
しかし、そこで作られた「ブランド」は、いわゆるブランドというほどに成長しきったものは数が少ない。いやほとんどないとまで言い切ってもいいかもしれない。
日本人は黒船に弱い。海外からのムーブメントこそ世界最先端だと思いがちだ。しかし、自らが気づいていないだけで、世界最先端を走っているものは国内にまだまだある。
それにいち早く気づき、いかに世界に冠たる「ブランド」を作るかは、日本人にとっての課題でありながら、その武器を手にすればJapan as No.1, againも夢ではないのかもしれない。
(allbirds大好き。もう3年くらい履きつぶしていたので、日本上陸超嬉しい。オープン日に原宿で買いました)苦境が続く日本のアパレル業界。既存企業は、そこに光を見出そうとしているのか、D2CとEC・オムニチャネル強化というキーワードに踊らされている経営者か、いまだに何も変えない経営者の二手に分かれていることを嘆きます。ぜひ、この2つのメッセージを受け止めて欲しいです。
◯実は、D2Cの中でも、ディープなR&D(研究開発)と、良い流通戦略を結び付けている企業は数えるほどしかありません。
◯アマゾンや楽天のようなECのプラットフォームは、あらゆる製品のカタログみたいなものです。自分たちのブランドが、機能の一つみたいになってしまう。しかも、ストーリーテリングは失われ、製品にかけてきた「深み」も損なわれてしまう。