[フランクフルト 30日 ロイター] - ドイツ銀行<DBKGn.DE>は30日、2019年通期の赤字が57億ユーロ(63億ドル)と発表した。業務再編コストに圧迫され赤字が予想(50億ユーロ)を上回り、5年連続の赤字となった。

同行はゼービング最高経営責任者(CEO)の下、1万8000人の人員削減や投資銀行業務の縮小、プライベートバンキングとコーポレートバンキング部門への集中など、総額74億ユーロ規模の業務再編計画を断行中。ただ、世界経済の減速やユーロ圏の超低金利が逆風となっている。

ゼービングCEOは「新戦略は前進している」とし、収入が2019年下半期に安定したことや、多額の純損失はコスト改善が原因であることを強調した。

ただ、第4・四半期の赤字は16億ユーロでアナリスト予想の10億ユーロを上回った。

ドイツ銀行は過去5年の赤字が合計で150億ユーロにのぼり、株価は10年で82%下落した。

アナリストや投資家の間では、収入を生み出す力が大きな懸念要因。同行は繰り返し見通しを下方修正している。

第4・四半期の収入は4%減の53億ユーロ、年間では8%減の232億ユーロ。同行は2022年までに年間収入245億ユーロを目指すとしている。

コーポレートバンキング部門の収入は5%減、プライベートバンキング部門は4%減。一方、ドル箱の債券取引部門の収入は31%増。最近の減少からは改善したものの、一部の米大手銀の水準には届かなかった。

コスト削減計画は予定通りに進み、従業員数は昨年4100人超減少し、フルタイム相当で8万7597人。

*内容を追加しました。