[ブリュッセル 29日 ロイター] - 欧州議会は29日、英国の欧州連合(EU)離脱協定案を賛成621、反対49、棄権13で正式に承認した。今週31日に英国はEUを離脱する見通し。

半世紀近くにわたった英加盟に終止符が打たれ、欧州統合の理念が大きく後退することになる。

ブリュッセルでの本会議で行われた審議では、複数の議員が涙を流すなど、感情的になる場面もあった。採決後、議場の議員らは「蛍の光」を歌い、英国に別れを告げた。

英国は31日2300GMT(日本時間2月1日午前8時)にEUを離脱する。その後、激変緩和のために設けられた年末までの「移行期間」に入る。英国とEUは間もなく、貿易や安全保障などに関する新たな関係について、交渉を始めることになる。

欧州委員会のフォンデアライエン委員長は欧州議会で「われわれは関税ゼロ、クオータ(割当枠)ゼロの自由貿易協定を検討している。ただし、EUと英国の企業が公平な条件で競争することが前提だ。われわれはEU企業を不公平な競争にさらすことは断じてしない」と強調した。

英国のEU離脱運動を主導したナイジェル・ファラージ氏は記者団に対して「英国は(EUに)適合していなかった。離脱したほうがよい」と語り、離脱した以上は「戻ることはない」などとコメントした。

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