[フランクフルト 29日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のデータによると、2019年12月のユーロ圏の企業向け融資は前年比3.2%増で、2年ぶりの低い伸びとなった。

11月は3.4%増だった。

一方、家計向け融資は11月の3.5%増から3.7%増に加速し、11年ぶりの高い伸びを記録した。

ユーロ圏経済は過去1年、世界的な貿易摩擦や製造業の低迷で成長が大幅に減速したが、サービス部門と消費支出は底堅く、これまで消費者が大きな打撃を受けていないことを示している。

12月の企業向け融資はわずか7億ユーロにとどまり、昨年の月平均の10分の1にも満たなかった。月次の数字としては過去2番目に少ない。

ECBが超金融緩和策によって押し上げようとしている長期の借り入れを企業が敬遠している現状が浮き彫りとなった。

一方、家計向け融資は238億ユーロで、2008年初頭以来の高水準。低金利に乗じて住宅ローンを借り入れる消費者が増えている。

ECBのメルシュ専務理事は27日、ECBの超金融緩和が資産バブルをもたらし、将来の危機を招く恐れがあると述べ、超金融緩和のリスクを強調した。[nL4N29W2D9]

マネーサプライM3の伸び率は5.0%で、予想の5.5%に届かなかった。

*内容を追加しました。