[東京 28日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均株価は続落した。中国で発生した新型肺炎の感染拡大が依然として警戒されている。朝方は前日の軟調な地合いを引き継ぐ形で幅広く売られたものの、2万3000円前後の水準は値ごろ感が働き、前場中盤から押し目買いの流入で下げ渋った。後場はしばらく安値圏で一進一退となっていたが、米株先物の上昇などをにらみ大引けにかけて下げ幅を縮小した。

日経平均ボラティリティ指数(VI)<.JNIV>は寄り付き付近に20.62ポイントまで上昇し、19年8月26日以来約5カ月ぶりの高水準を付けたが、その後は徐々に低下した。

米株先物の上昇については「28─29日にかけて米FOMCが行われる。今回の新型肺炎の拡大を受けて米国が追加的に金融緩和姿勢を示すのではないかという期待が一部で出ているようだ」(国内証券)との見方が出ていた。

市場では新型肺炎を巡り、調整が長引くとみる向きもいる。「2002年─03年に猛威を奮ったSARS(重症急性呼吸器症候群)の時にはボトムアウトまで半年近くかかった経緯がある」(三菱UFJモルガンスタンレー証券のチーフ投資ストラテジスト、藤戸則広氏)との指摘もあった。

TOPIXも続落。東証33業種ではその他金融、空運を除く31業種が値下がりした。値下がり率上位には鉄鋼、鉱業、石油・石炭製品、機械などが入った。バルチック海運指数<.BADI>が2016年4月以来の水準に低下する中、海運も軟調に推移した。

個別では、東洋シヤッター<5936.T>が反落し東証1部で値下がり率トップとなった。27日に発表した2019年4─12月期の連結営業利益が前年同期比5.4%減の8億0400万円だったことが嫌気された。一方、小野測器<6858.T>は急騰して東証1部で値上がり率トップ。業績見通しの上方修正を発表したことが好感された。

東証1部の騰落数は、値上がり735銘柄に対し、値下がりが1335銘柄、変わらずが89銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      23215.71 -127.80

寄り付き    23126.93

安値/高値   23,115.15─23,243.36

TOPIX<.TOPX>

終値       1692.28 -10.29

寄り付き     1687.53

安値/高値    1,684.75─1,695.72

東証出来高(万株) 117125

東証売買代金(億円) 21940.68