[27日 ロイター] - 中国当局によると、湖北省・武漢市で発生した新型コロナウイルス(2019-nCoV)による肺炎は感染が拡大し、死者は81人に達した。

新型コロナウイルスを巡る状況は以下の通り。

*新型ウイルスは人から人に感染する。2002━2003年に800人近くが死亡した重症急性呼吸器症候群(SARS)と同じタイプのコロナウイルス。

*中国国家衛生健康委員会の馬暁偉主任によると、潜伏期間は1─14日で、SARSとは異なり、潜伏期間に感染する可能性がある。

*馬主任によると、感染ペースは「比較的早く」「より深刻で複雑な局面に入りつつある」。新型ウイルスに関する情報は限られており、ウイルスの変異がどのようなリスクをもたらすかは不明。

*世界保健機関(WHO)は23日、新型肺炎の感染は中国では緊急事態だとしながらも、「国際的な公衆衛生上の緊急事態と判断するには時期尚早」と判断。

*新型ウイルスに感染すると、熱、せき、呼吸困難などの症状が出る。深刻なケースでは肺炎、重症急性呼吸器症候群、腎機能障害につながり、死に至る場合もある。

*当局によると、亡くなった人の多くは、持病があった人や高齢者。

*新型ウイルスは、SARSや中東呼吸器症候群(MERS)の原因となったウイルスと同じ「RNAウイルス」で、遺伝物質としてDNAではなくRNAをもっている。これは新型ウイルスが宿主のDNAに組み込まれ、急速に変異する可能性があることを意味する。

*中国国内の感染者数は2744人。約半数は湖北省の感染者。

*中国本土以外では、香港、マカオ、台湾、タイ、米国、オーストラリア、カナダ、フランス、日本、マレーシア、ネパール、シンガポール、韓国、ベトナムで感染が確認されている。中国以外では死者は報告されていない。

*新型ウイルスの感染源は、昨年末に武漢市の市場で違法に取引されていた野生動物とみられている。中国の研究者によると、コウモリからヘビに感染し、ヘビから人間に感染した可能性がある。コウモリとヘビは武漢市の市場で販売されていたことがわかっている。

*WHOは昨年12月31日と今年1月7日に武漢市の複数の肺炎患者について報告を受けていた。中国当局も新型ウイルスを特定したことを確認していた。