[フランクフルト/チューリヒ 27日 ロイター] - スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)は、クレディ・スイスで発覚した元幹部内偵問題について、ティージャン・ティアム最高経営責任者(CEO)ら経営トップを監視する体制の不備によるものかどうかを調査している。調査に詳しい複数の関係者が明らかにした。

関係者によると、調査の結果次第で、FINMAはクレディ・スイスに経営陣を刷新するよう指示する可能性がある。適切に行動していなかったと判断した幹部や取締役には辞任を要請するかもしれないという。

ただ、調査はまだ初期段階にあり、結論は出ていない。

FINMAの報道官はコメントを控えた。FINMAは12月に、内偵発覚により浮かび上がった法令順守(コンプライアンス)問題の調査で協力を得るため、独立監査法人を任命する方針を示していた。

クレディ・スイスの広報担当は、FINMAが同社の幹部や取締役を狙い撃ちしているという見方は憶測だと述べ、最終判断はまだ下されておらず、監査法人も任命されていないと指摘した。

クレディ・スイスはウェルスマネジメント部門の元責任者イクバル・カーン氏と元人事部門責任者のペーター・ゲルケ氏が内偵されていた問題で、ティアムCEOら幹部の関与はなく、ピエールオリビエ・ブエ前最高執行責任者(COO)が単独で内偵を指示したと発表している。

同社は10月に、ブエ氏が責任を取って辞任したと明らかにしている。同氏はこの問題について公の場でコメントしていない。

FINMAのトーマス・バウアー会長はこれまで、外部の探偵会社を使うこと自体は監督上の問題ではないが、クレディ・スイスの内偵活動に関してはガバナンス(企業統治)と監視について未解決の問題があると指摘している。