[ニューヨーク 24日 ロイター] - 米国株式市場は下落。中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を巡る懸念から幅広い銘柄に売りが広がった。

米疾病対策センター(CDC)がこの日、米国内で2人目の感染者を確認したと発表したことを受け、主要株価3指数は軒並み大きく下落。とりわけS&P総合500種の1日の下げ率は約3カ月ぶりの大きさとなった。

週足では、ダウ平均とS&Pが昨年8月以来の大幅な下げを記録。ナスダックも7週間ぶりに下落した。

レノックス・ウエルス・アドバイザーズの最高投資責任者、デービッド・カーター氏は「市場は不透明性を嫌う。新型コロナウイルスは市場にかなりの不透明性をもたらしている」と指摘した。

中国当局によると、新型肺炎による国内での死者は23日時点で26人、感染者は830人に達した。

一方、CFRAリサーチの首席投資ストラテジスト、サム・ストーボール氏は「新型コロナウイルスは利益を確定させるための口実に過ぎない」と指摘。キングスビュー/アセット・マネジメントのポートフォリオ・マネジャー、ポール・ノルテ氏も「相場は割高なため、市場は下落する理由を求めていた。新型ウイルスはその理由だ」と述べた。

個別銘柄ではインテルは8.1%高で終了。前日発表した第4・四半期決算は、利益と売上高が市場予想を上回った。通年の売上高見通しも予想を上回り、半導体業界が長い低迷期から脱しつつあるとの市場の見方を後押しした。

アメリカン・エキスプレス(アメックス)も2.8%高。第4・四半期の業績が好調だっことを受け、取引時間中には過去最高値を更新した。

米企業の第4・四半期決算の発表が本格化する中、来週はアップル、マクドナルド、スターバックス、テスラ、アマゾン・ドット・コム、ボーイング、フェイスブック、キャタピラーなどの発表が予定されている。

ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.33対1の比率で上回った。ナスダックでも2.94対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は79億6000万株。直近20営業日の平均は71億3000万株。