[23日 ロイター] - 米事務機器大手・ゼロックス<XRX.N>は23日、米パソコン・プリンター大手HP<HPQ.N>の次の株主総会で、新たな取締役の候補として11人を提案すると発表した。ゼロックスの買収提案を再三拒否しているHPの経営陣を刷新し、買収実現を目指す。

ゼロックスが挙げた取締役候補には、アメリカン航空<AAL.O>やコグニザント・テクノロジー・ソリューションズ<CTSH.O>、ジェフリーズ・フィナンシャル・グループ<JEF.N>、ウィン・リゾーツ<WYNN.O>などの企業の現役幹部や元幹部が含まれる。

ゼロックスは昨年11月、HPに対して現金と株式交換の組み合わせによる335億ドルでの買収を提案したが、HP経営陣は評価が低すぎるとして拒否した。

ゼロックスのジョン・ビセンティン最高経営責任者(CEO)は23日「HP株主は、われわれの買収提案が大きな価値をもたらすとの考えをわれわれに伝えている」とし、そのためわれわれは、買収に向けた240億ドルの資金調達や有能な取締役候補の提案を行っていると説明した。

ゼロックスの取締役候補の提案を受けてHPは、ゼロックスはHPを過小評価していると再表明。また、取締役会でゼロックスの提案した候補者を検討したうえで、回答するとした。

企業では、資料などを印刷せずに電子メールで送るなどペーパーレス化が進んでおり、両社とも印刷需要の減少に直面している。

モーニングスターのアナリスト、マーク・キャッシュ氏は「(候補者提案が)HPを買収提案に同意させるための十分なプレッシャーになるとは思わない。ただ、ゼロックスから、より高い買収額を引き出すための交渉をHPは検討するかもしれない」とコメントした。