[ダボス(スイス) 23日 ロイター] - フランスのルメール経済・財務相は23日、フランスと米国がデジタル課税の国際ルールづくりを押し進める方法で合意したと述べた。

ルメール氏は、ムニューシン米財務長官と協議した結果、フランスが導入した大手IT(情報技術)企業対象のデジタル課税を巡る米仏間の対立をやめ、最低法人税率を含む世界的な枠組みを年内に確保することに注力することで一致したと述べた。

両者は、1920年代以降初めてとなる国際税法の改革に向け、一連の草案を書き上げた。これを基に来週の経済協力開発機構(OECD)会合にて137カ国・地域が協議する。

ルメール氏は出席中の世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で「米財務長官とOECDの事務総長と今朝、長い協議を行った。フランスと米国が合意に至り、OECD会合でのデジタル課税協議の土台を作ったことに満足している」とした。「米国が制裁関税を課すリスクが減るほか、デジタル課税を巡る国際的な解決策を見いだす道が開けるため、これは朗報だ」と語った。

OECDのグリア事務総長は長年にわたりデジタル課税における条件を平等にする方法を模索してきた。ここにきて議論は加速し、国際的なルールで12月までに合意することを目指す。

グリア氏はWEFにおけるルメール氏とのパネル協議で、枠組みの草案を7月までに確保できることを期待していると話した。「代替案はない。これをやり遂げるしかない」と述べた。

イタリアや英国などほかの国も国内でデジタル課税を導入したか導入に向けて動いている。ルメール氏は、デジタル税を巡り各国の税制が次々と出てくるよりも国際的な枠組みがあった方が好ましいと述べた。フランスは国際的な協定ができれば国内の税制を廃止するとしている。「何か違うものを作り上げないといけない。2020年はまさにそれをやり遂げたい」とした。ムニューシン氏と協議した結果、企業が任意でデジタル課税に対応するとの米国の提案は撤回されたと語った。