[フランクフルト/パリ 23日 ロイター] - ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)<VOWG_p.DE>のヘルベルト・ディース最高経営責任者(CEO)は23日、傘下にあるスペインのセアトのルカ・デメオCEOが今月退任したことについて、同氏は恐らく仏ルノー<RENA.PA>と交渉しているだろうと述べた。

イタリア生まれのデメオ氏はセアトの執行委員会の会長に4年間在任。販売回復の指揮を執り、VWグループ内での同社の存在感を高めた。

ディースCEOは世界経済フォーラム(WEF)年次総会が開催されているスイスのダボスでCNBCに対し、「ルカが我々のところから去るのはとても悲しい。彼はグループ内で極めて重要な役割を果たしていたからだ」とし、「彼は我々とともに素晴らしい仕事をした。しかし、我々は彼が去ることを受け入れる。恐らくルノーと交渉しているのだろう。彼が我々にそう言った」と語った。

ルノーは23日、この件についてコメントを拒否した。

ルノーのジャン・ドミニク・スナール会長は今週、新しいCEOが間もなく指名されると述べた。

複数の関係筋がこれまでにロイターに対し、デメオ氏はルノーと移籍交渉をしているものの、同氏とVW側との契約の条項が交渉の障壁になっていると話した。

デメオ氏のCEO就任は、ルノーの株主であるフランス政府から暗黙の了解を得ている。経済・財務省の関係筋はロイターに対し、「デメオ氏の指名に国が反対する理由は全くない」と述べた。

昨年12月には、スペイン紙ラ・バンガルディアが匿名の関係者の話として、ルノーがデメオ氏に次期CEO就任を打診したと報じていた。[nL4N28Q02N]