【解説】2020年の中小企業を襲う、「2つの脅威」

2020/1/23

2019年の全国企業倒産集計がまとまった。倒産件数は8354件となり、2018年（8063件）から3.6％増加した。

そして、業界では、2020年はさらに倒産が増えるのではないかと見られている。多くの企業、とりわけ中小事業者を苦しめそうな2つの大きな動きがあるからだ。

その2つとは、「キャッシュレスによるポイント還元の終了」と、加速する「地方銀行の再編」。今回はこれらの観点から、2020年の企業を取り巻く環境を考えていきたい。

経産省が注視する「怪しい企業」

コメント

注目のコメント

• 内藤 修

  帝国データバンク 情報統括部 情報編集課長

  ・2020年01月23日

  記事本文でも触れている粉飾決算に手を染めた末に倒産に至った「粉飾倒産」が、2019年は大きく増加しました。現在集計中ですが、その件数は100件に届く勢いです。2020年も粉飾発覚の動きは、企業規模を問わず続いており、さらに「粉飾倒産」が増えそうです
• 平井 啓一朗
• 荻生 泰之

  EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング パートナー

  ・2020年01月23日

  地銀の再編が起こり、粉飾決算が増えるというのは、大胆な予想です。
  
  ですが、それは無理でしょう。
  
  今回、SBIの資本業務提携に乗ったのは、地銀の中でも小規模なところです。
  そもそも、地銀は、現状を維持し地場を守る意識が極めて強いため、粉飾決算を明らかにするのもそうですが、再編することにも消極的です。
  ですので、経営統合はしても合併はしないのです。
  その経営統合も実質的には不可侵条約ですから。
  
  但し、合併するとなれば話は変わります。
  そのときは、勢力争いし、お互いの追い落としの波が強まるでしょう。
  そうなると、粉飾決算は相手を追い落とす理由となります。
  
  合併が起こりうるのは、2020年以降景気が悪くなり、その後、立ち行かなくなる可能性がある2023-25年頃ではないでしょうか。