[ダボス(スイス) 21日 ロイター] - ムニューシン米財務長官は21日、通商合意によるプラスの影響や米ボーイング<BA.N>の旅客機「737MAX」の運航再開などにより、2020年の米経済成長率は国際通貨基金(IMF)などの予測を上回る可能性があると述べた。

IMFは20日に発表した世界経済見通し(WEO)で、米経済成長率について、17年の減税措置の影響が薄れていることに加え、連邦準備理事会(FRB)の緩和策を背景に、20年は2.0%になるとし、前回見通しから0.1%ポイント下方修正した。

ムニューシン長官はスイスのダボスで開催中の世界経済フォーラム(ダボス会議)で、「IMFや他の機関の予測を耳にするが、それらの20年の予測は低すぎると思う」とした上で、景況感は堅固で今月署名した中国との通商合意などが経済を押し上げると主張。ボーイング機の運航再開も米経済に寄与するとした。

また、財政政策が成長の妨げになりかねないとの見方を一蹴。ただ財政支出の増加を抑制する必要があるとした。

FRBの金融政策に関する質問に対しては、トランプ大統領によるFRB批判は許されるが、財務長官としての自身の立場では許されないとした。

トランプ氏はこの日、世界経済フォーラムで、FRBの政策が米経済を抑制しているとし、「FRBの利上げは早すぎたし、利下げは遅すぎる」と批判した。