[ソウル 20日 ロイター] - 韓国のサムスン電子は20日、スマートフォンなどを担当するモバイル事業のトップに盧泰文(ノ・テムン)社長(51)を充てる人事を発表した。最年少の社長を起用することで、スマホ市場で中国の華為技術(ファーウェイ)による追い上げに対抗する。

サムスン電子は次世代通信規格(5G)対応スマホで先行したが、今年はファーウェイが巨大な中国市場をてこに販売を伸ばすと予想されている。

盧氏はモバイル開発のトップとしてスマホ「ギャラクシー」の開発を率いた経歴などを持つ。サムスン電子は声明で、スマホ市場の競争が激化する中、盧氏は組織の再活性化を担うと説明した。

カウンターポイントのアナリスト、トム・カン氏は今回の人事について、「新技術に伴う市場の大きな変化の可能性に対応する狙いがあるように見える」と指摘。若手の盧氏について「決断力があるとされており、そうした変化に迅速に対応することで、ファーウェイの追い上げをかわすとみられる」と述べた。

サムスン電子は、ネットワーク機器事業トップの田敬薫(チョン・ギョンフン)氏を社長に昇格することも明らかにした。

一方、3人の共同最高経営責任者(CEO)は留任させると発表。グループの経営トップであるサムスン電子副会長、李在鎔被告の差し戻し審判決を控え、安定も重視した。

モバイル事業とネットワーク機器事業で構成するIT・モバイル通信(IM)部門は、高東真(コ・ドンジン)共同CEOが引き続き率いる。同氏はこれまでモバイル事業トップも兼任してきた。