[ワシントン 17日 ロイター] - 米商務省が17日発表した2019年12月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比16.9%増の160万8000戸と、2006年12月以来13年ぶりの高水準を付けた。

住宅ローン金利が低い中で住宅市場の持ち直しが再び軌道に乗ってきたことを示した。過去最長期間拡大している景気を後押しする材料となる可能性がある。市場予想は137万5000戸だった。

増加率は16年10月以来の大きさ。12月の前年同月比は40.8%増だった。

19年11月の着工件数は当初発表の136万5000戸から137万5000戸へ上方改定された。19年は前年比3.2%増の129万戸だった。

12月の住宅着工許可件数は前月比3.9%減の141万6000戸だった。11月は12年半ぶりの高水準だった。

12月の住宅着工件数の前月比の内訳は、市場で最も大きなシェアを占める一戸建て住宅が前月比11.2%増の105万5000戸と、07年6月以来の高水準を付けた。地域別では中西部のほか、人口の多い南部が増えた。一方、北東部と西部は減少した。

一戸建て住宅の許可件数は0.5%減の91万6000戸。前月まで7カ月連続で伸びていた。

月々の変動が激しい集合住宅の着工件数は29.8%増の55万3000戸だった。1986年7月以来の高水準となった。許可件数は9.6%減の50万戸だった。

ナロフ・エコノミック・アドバイザーズの首席エコノミスト、ジョエル・ナロフ氏は「住宅建設の大幅な増加は経済成長の大きな支援要因となる」と指摘。ただ「今年第1・四半期は軟調になる可能性がある」との見方を示した。

着工件数の増加に加え、完成件数と建設中の住宅が増加していることで、住宅販売の抑制要因となっていた住宅不足が解消に向かう可能性がある。

建設中の住宅は2.0%増の119万2000戸と、07年3月以来の水準に増加。オンライ不動産業、ジローのエコノミスト、マシュー・スピークマン氏は「現在の歴史的な在庫不足の解消には建設の増加だけでは追いつかない」としながらも、建設の増加で状況が改善する可能性があるとの見方を示した。

米連邦準備理事会(FRB)が19年に3回利下げしたことに伴い住宅ローン金利は18年に付けた数年来の高水準から低下し、住宅市場は勢いを取り戻している。連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると、30年住宅ローンの固定金利は現在平均3.65%と、18年11月の4.94%から低下してる。

前日発表された1月のNAHB/ウエルズ・ファーゴ住宅建設業者指数は前月から低下したものの、依然として1999年半ば以来の高水準に近い。建設業者は「引き続き用地と労働力不足が課題だ。購入者は在庫不足に悩まされている。初めての住宅購入者向けの在庫不足は特に顕著だ」と指摘した。

住宅市場は米経済の約3.1%を占める。住宅投資は19年第3・四半期に持ち直した。それまでは6四半期連続で縮小しており、落ち込みは期間は07ー09年の景気後退期以来の長さだった。住宅投資は第4・四半期も国内総生産(GDP) を押し上げる方向に働くとみられる。