[ロンドン/ワシントン 16日 ロイター] - 欧州連合(EU)のホーガン欧州委員(通商担当)は16日、米中が署名した「第1段階」の通商合意について、国際ルールに準拠しているかどうか内容を精査する考えを示した。

委員は会合で「通商合意の細部に悪魔が潜んでいる」と指摘。詳細がやや漠然としているほか、「米中は二国間で直接取引を行っており、世界貿易機関(WTO)の規則に準拠しているか精査する必要がある」と語った。

さらに今回の合意では、EUや米国が中国に求めてきた構造改革は盛り込まれておらず、米中が「第2段階」の交渉で何を協議するのか注視しているとした。

ホーガン氏は今週、ワシントンで米当局者と会合を開く予定だが、詳細はあまり決まっていないと述べた。

このほか、米国とEU双方が航空会社への補助金問題を早急に解決する必要があると指摘。問題が続けば、結果的に中国政府や同国の航空産業だけが利を得ると懸念を示した。また、EUは米国との関係をリセットする決意だとし、日米欧がこのほど共同発表した産業補助金に関する世界的ルールの素案は協力が可能であることを示していると述べた。

大手IT(情報技術)企業の売り上げなどに課税する「デジタル税」については、将来的にIT企業を対象とした国際税の課税方法が確立されるという見通しを示した。

WTO改革については、米国が対応するのは11月の大統領選後の来年になるとの見方を示した。

*内容を追加しました。