ヤマダ電機が大塚家具を子会社化した理由、販路拡大だけではない?
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成長が少し鈍化したヤマダ電機の大塚家具子会社化、アンゾフの成長マトリックスとシナジーでその効果を説明している。
最後に、今回の資本提携にはアンゾフのシナジー効果では測りきれない部分があることにも、言及しており、それは大塚家具は富裕層に対する家具販売のノウハウだと言っている。
大塚家具が、富裕層に対する接客技術をヤマダ電機の従業員に教育し、それを新業態に展開できれば、注文住宅の販売やリフォームなどの高額商品の販売にプラスになるかもしれないと。
学問的には面白い。アンゾフマトリクスとシナジー効果の視点は確かに面白いのですが、それよりも気になるのは「STP=セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング」の視点です。
ヤマダ電機は、郊外では中〜低価格帯の商品を好む(価格感応性の高い)セグメント、都心部ではインバウンド旅行客セグメントなどを中心にターゲットとしています。
一方の大塚家具は、都心部中心に比較的中〜高価格帯の高付加価値商品を嗜好するセグメントをターゲットとしています。
(少なくとも数年前までは、顧客単価以上にLTV向上に重きを置いた経営をしていました。)
課題は、この異なるセグメントの顧客層をヤマダ電機は果たして取り込めるのか?そのためにどのようなマーケティング戦略を取るのか?オンライン購買やインバウンド、国内労働人口の減少など、激変する外部環境にどう対応するのか?という点にあると思います。
そういう意味では、これから先にヤマダ電機が打つ手にとても注目しています。M&Aは全体でみると7-8割は失敗するのが過去の様々なスタディからわかっています。
そして多くの問題は組織の問題云々諸々ありますが、「買収前の根本的な問題点を買った側が解決できない」ことにあるのですが、大塚家具の根本的な問題をヤマダ電機が解決できるのか。
記事の内容含めて直感的にはうまくいきそうなポイントが見えないのですが、最終的には結果次第なので注目しております。