日本の政権首脳が「トランプ再選」を熱望する訳
東洋経済オンライン
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もう一つの要素を付け加えるならば、トランプ再選は安倍さんに有利に働くからだ。トランプがブッシュやオバマのような大統領ならば、ポスト安倍や野党に安心して権力の移行が可能だが、多くの日本人はトランプの不確実性に不信感を抱いている。トランプの「不確実性」は、結果的にトランプと良好な関係を築く安倍さんに対する支持や続投を求める求心力になっている。
多くの国民は岸田さんや石破さんに対して、安倍さんと同じくトランプと良好な関係を築けるだろうかという疑問を持っている。国民はトランプに不信感を抱いているが、韓国のように中国と米国を天秤に掛けるほど、中国に対する親近感を持っていない。米国に対する中国より強い信頼を抱いている。
また多くの国民は岸田さんや石破さんと同じく、野党に対して安倍さんと同じくトランプと良好な関係を築けるだろうかという疑問を持っている。枝野さんは立憲民主党の結党後、初めて代表として訪米したとき、日米安保体制の「重視」と「深化」を主張し、頻繁にワシントンを訪れる必要性を語ったが、それ以来まだ米国を訪問していない。民主党政権は日本と米国の意思疎通の欠如が問題だったが、相変わらずその反省を活かしていない。トランプを前にしたとき、野党が米国と良好な関係を築けるか疑問を抱かれている。
こうした要素を勘案したとき、トランプの再選はトランプと良好な関係を築く安倍さんに対する求心力になっている。こうした要素も安倍さんを筆頭とした官邸が政権交代ではなく、トランプの再選を望む理由なのではないか。