[北京 2日 ロイター] - 財新/マークイットが発表した12月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.5と、3年ぶり高水準だった前月の51.8から低下し、アナリストの横ばい予想を下回った。新規受注の伸びが鈍化した。

ただ、米中貿易摩擦が緩和する中、生産の伸びは堅調なペースを維持し、企業信頼感も高まり、PMIは景況改善・悪化の分岐点となる50を5カ月連続で上回った。

31日に発表された中国国家統計局のPMIと比べると、それほど楽観的な内容ではなかったものの、企業信頼感の改善や、生産・在庫の拡大意欲が示されたことはポジティブな変化との指摘もある。[nL4N2950RY]

CEBMグループのマクロ経済分析部門ディレクター、Zhengsheng Zhong氏は「抑制された企業信頼感が景気減速の主な要因となってきた」とした上で、「米中通商協議の第1段階合意がポジティブなシグナルを発する中、企業信頼感には回復の余地があり、経済安定化に寄与するだろう」との見方を示した。

財新/マークイットの12月PMIでは、販売価格が6カ月ぶりに上昇し、利益率改善の兆しも示された。

ただ、アナリストらは製造業の改善の兆しが持続可能かどうか確信できないでいる。

12月の需要は依然として不安定で、新規受注の伸びは鈍化。輸出受注は小幅な伸びにとどまった。

Hwabao Trustのエコノミスト、Nie Wen氏は「製造業の回復はまだ始まったばかりだ」とし、中国人民銀行(中央銀行)は景気回復の足取りがさらに強まるまで、引き続き政策緩和を実施する見込みだと予想した。