[31日 ロイター] - <為替> 主要6通貨に対するドル指数<.DXY>が4日続落し、半年ぶりの安値を付けた。米中通商合意書の署名を巡るトランプ米大統領の発言を受け、ドル売りが継続した。ドル指数の年間の成績はわずか0.24%高と、これまでで最も小幅な動きにとどまった。

トランプ大統領は、米中「第1段階」通商合意書の署名を来年1月15日にホワイトハウスで行うと表明。ツイッターで、署名式には中国の高官らも出席するとした上で、署名後あらためて中国を訪問し、次の段階に向けた協議を開始したいと述べた。

ドル指数は0.33%安の96.418。7月1日以来の安値。過去1カ月間では1.89%安。年初から11月末までは2.18%値上がりしていた。昨年は4.4%上昇。

MUFGのアナリストは「今年終盤のドル安は、連邦準備理事会(FRB)のバランスシート拡大や世界経済見通しの改善に沿った動き」と指摘した。

ユーロ/ドル<EUR=>は一時1.124ドルと5カ月ぶり高値を付けた。豪ドル<AUD=D4>やオフショア人民元<CNH=> <CNH=D3>なども上昇した。ドル/円<JPY=> <JPYX1=>は0.22%安の108.62円。

<債券> 長期債利回りが上昇。米中通商合意書の署名を巡るトランプ米大統領の発言が材料となった。年間の投資収益率(リターン)は2014年以降、過去5年間で最高を記録した。

トランプ大統領は、米中「第1段階」通商合意書の署名を来年1月15日にホワイトハウスで行うと表明。ツイッターで、署名式には中国の高官らも出席するとした上で、署名後あらためて中国を訪問し、次の段階に向けた協議を開始したいと述べた。

10年債利回り<US10YT=RR>はこの日1.91%近辺で推移。メリルリンチのデータによると、10年債の年間リターン<.MERGA10>は9.03%。30年債<US30YT=RR>のリターン<.MERGA30>は17.15%。2014年はそれぞれ10.72%、29.43%だった。

12月は米経済を巡る楽観的な見方や米中通商協議への期待からリスク選好が改善し、米国債のリターンが伸び悩んだ。

短期金融市場ではこの日、銀行や企業が資金調達する際に支払う翌日物レポ金利<USONRP=>が1.4%と、2018年3月以来の水準に低下。当初懸念されたような年末の資金逼迫(ひっぱく)は見られなかった。

<株式> 上昇して取引を終えた。米中通商合意を巡る楽観が支援した。

年間の上昇率はS&P総合500種とナスダック総合指数がともに2013年以降で最高となった。一方、ダウ工業株30種は17年以降で最高だった。19年は通商面での楽観やハト派的な金融政策、経済見通しの改善などが米国株の大幅上昇につながった。

この日はトランプ米大統領が、米中「第1段階」通商合意書の署名を来年1月15日にホワイトハウスで行うと表明したことで期待感が広がった。半面、イラクの首都バグダッドの米大使館周辺で暴力的な抗議デモが発生したことが重しとなった。

前日にはS&P500とナスダックが約4週間ぶりの大幅な下げとなったが、FTSEラッセルの世界市場調査担当マネジングディレクター、アレック・ヤング氏は、買われすぎていた米国株にとって前日の下げは良い調整となり、「持続的な上昇を支援する」との見方を示した。

商いはやや低調。米取引所の合算出来高は約59億9000万株と、直近20営業日の平均68億4000万株を下回った。

米国株式市場はあすの元日は休場となる。

月間の上昇率はダウが1.73%、S&Pが2.87%、ナスダックが3.56%。S&Pの12月の月間上昇率は10年以降で最大だった。

第4・四半期の上昇率はダウが6.02%、S&Pが8.55%、ナスダックが12.18%。年間ではダウが22.33%、S&Pが28.9%、ナスダックが35.24%。過去10年間ではダウが173.67%、S&Pが189.72%、ナスダックが295.42%だった。

この日、ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.81対1の比率で上回った。ナスダックでも1.64対1で値上がり銘柄数が多かった。

<金先物> ドル安・ユーロ高に伴う割安感などに支えられ、6営業日続伸した。2月物の清算値は前日比4.50ドル(0.30%)高の1オンス=1523.10ドルと、中心限月ベースで9月24日以来約3カ月ぶりの高値となった。

外国為替市場ではドル安・ユーロ高基調が継続し、ドル建てで取引される金は割安感から買われやすかった。また、軟調な米株相場や、コンファレンス・ボードが午前に発表した12月の消費者景気信頼感指数が前月から低下し、市場予想を下回ったことなども安全資産とされる金買いを支えた。ただ、年末で薄商いとなる中、上げ幅は抑えられた。

<米原油先物> 薄商いの中、利益確定の売りなどに押され、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月2月物の清算値は前日比0.62ドル(1.0%)安の1バレル=61.06ドル。年間では約34%高となった。3月物は0.67ドル安の60.77ドルとなった。年末年始に休暇を取る市場参加者が多く、この日も薄商い。期末に伴う利益確定の売りやポジション調整目的の売りが出た。

一方、外国為替市場では、対ユーロでドル安が進行。ドル建てで取引される原油は割安感から買われ、相場は一時プラス圏に浮上する場面もあった。米軍がイラクとシリアでイスラム教シーア派組織「カタイブ・ヒズボラ」の拠点を空爆したことを受け、在イラク米大使館前で31日、数千人が抗議デモを行った。市場では、地政学的リスクの高まりが意識されたが、原油の大きな買い材料とはならなかった。

ドル/円 NY終値 108.61/108.64 <JPY22H=>

始値 108.56 <JPY=>

高値 108.75

安値 108.48

ユーロ/ドル NY終値 1.1210/1.1214 <EUR22H=>

始値 1.1226 <EUR=>

高値 1.1239

安値 1.1211

米東部時間

30年債(指標銘柄) 14時05分 99*22.50 2.3889% <US30YT=RR>

前営業日終値 100*21.50 2.3440%

10年債(指標銘柄) 14時05分 98*15.50 1.9192% <US10YT=RR>

前営業日終値 98*22.50 1.8950%

5年債(指標銘柄) 14時05分 100*08.75 1.6927% <US5YT=RR>

前営業日終値 100*10.50 1.6810%

2年債(指標銘柄) 14時05分 100*03.38 1.5710% <US2YT=RR>

前営業日終値 100*03.25 1.5730%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 28538.44 +76.30 +0.27 <.DJI>

前営業日終値 28462.14

ナスダック総合 8972.60 +26.61 +0.30 <.IXIC>

前営業日終値 8945.99

S&P総合500種 3230.78 +9.49 +0.29 <.SPX>

前営業日終値 3221.29

COMEX金 2月限 1523.1 +4.5 <GCv1><0#GC:>

前営業日終値 1518.6

COMEX銀 3月限 1792.1 ‐8.0 <SIv1><0#SI:>

前営業日終値 1800.1

北海ブレント 3月限 66.00 ‐0.67 <LCOc1><0#LCO:>

前営業日終値 66.67

米WTI先物 2月限 61.06 ‐0.62 <CLc1><0#CL:>

前営業日終値 61.68

CRB商品指数 185.7870 ‐1.0587 <.TRCCRB>

前営業日終値 186.8457