【松本晃】停滞する日本で成功する「いい会社の見極め方」

2019/12/31
日本の企業はこの30年間失敗してきた──。
こう嘆くのは、ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人やカルビーで経営トップを歴任し、RIZAPグループのCOO(最高執行責任者)を経て、現在、パイオニアやノジマなどで社外取締役を務める松本晃氏だ。
72歳の「プロ経営者」は、平成に入った1990年以降、日本のGDP(国内総生産)が横ばいを続け、2010年には中国に抜かれた日本経済の浮き沈みを見てきた。
その生産活動を担う企業は一体、何がダメだったのか。
その理由を探るべく、NewsPicks編集部は、松本氏を直撃。日本企業の課題、今の経営者や若いビジネスパーソンに足りないものなどを聞いた。
数々の会社の経営再建に関わってきたプロ経営者の提言は、2020年以降のビジネスの世界で、目に見える成果を上げるために参考になることも多いだろう。
松本晃(まつもと・あきら)経営者
1947 年 7 月生まれ。ジョンソン・エンド・ジョンソン社長、カルビー会長兼CEO、ライザップ代表取締役(現・特別顧問)などを経て、2019年より放射冷却技術を活用したフィルムなどを手がける「ラディクールジャパン」会長CEO。パイオニア、ノジマ、スシローなどで社外取締役も務める。72歳(撮影:佐々木 龍)

日本企業は時代認識を誤っている

──2020年を迎える今の日本経済をどう見ていますか。
松本 日本経済は世界経済とリンクしていて、絶対的にはそれなりに成長するから、悲観的に見る必要はないと思います。