[北京 20日 ロイター] - 中国銀行保険監督管理委員会(CBIRC)は20日、2020年に製造業への支援対策を拡大すると述べた。

CBIRCは銀行に対して、繊維や衣料、製紙産業を中心に、一時的に流動性の問題に直面している企業から融資を引き上げないよう促している。債権者委員会を利用して借り手企業の問題を解決するように呼びかけている。

中国経済は約30年ぶりの弱い伸びとなっており、銀行部門が圧迫されている。今年は地方銀行5行が経営上か流動性の問題で打撃を受けた。CBIRCの監督長官を務めるYang Liping氏は、中小銀行における不良債権の水準は上がっており、融資の余地が限られてきている状態だと述べる。不良債権のうち製造業への融資が最大部分を占めるという。不良債権処理には時間がかかるため、短期間で状況は改善しないと指摘した。

Yang氏は「高リスクにさらされている中小規模の銀行について、それぞれの問題に対し個別のアプローチで対応する。その前に、銀行が有する資産の実態を知り、その後資本増強に向けて手助けする」と述べた。銀行は株式もしくは永久債を発行し資本構成を変更することができ、長期的には投資リスクを減らし、地銀の預金・融資事業に集中することができると語った。

CBIRCの財務部門を率いるLi Junfeng氏は、流動性を改善するもう一つの対策として、中小企業に対して来年、2兆元(2855億ドル)規模の新たな融資を提供するとした。一部は国費で賄う。

CBIRCはまた、初めて海外勢が過半数を占める資産運用の合弁事業を承認すると述べた。アムンディ・アセット・マネジメントが55%、中国銀行ウェルス・マネジメントが残りの株式を保有するという。

CBIRCで大手銀行部門を率いるWang Daqing氏は合弁事業が「既存の規制の枠組みに基づいて」設置されると述べた。他の海外のアセットマネジメント企業も中国の銀行と同様の合弁事業を設置することで協議を進めていると語った。

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