[上海 19日 ロイター] - 中国の短期金融市場では例年、12月は年末を控えた金融機関の資金需要の高まりで流動性を巡る懸念が浮上する時期だが、投資家の間では、来年1月に流動性が一段とひっ迫する可能性があるとの見方が出ている。

国泰君安証券のアナリストは今週のリポートで、春節(旧正月)や地方政府の特別債発行に伴い1月に資金需給がひっ迫する公算が大きく、人民銀行(中央銀行)が預金準備率を引き下げる可能性があるとの見方を示した。

来年は1月25日が春節に当たる。国泰君安証券のアナリストは、春節に伴い短期の資金需要がおよそ1兆5000億元(2141億8000万ドル)押し上げられると予想。地方政府の特別債発行に伴う銀行の資金需要も1月下旬にピークに達する見通しとし、最大で計2兆8000億元の資金不足が生じる可能性があるとの見方を示した。

中国は11月、来年の地方政府特別債発行枠のうち1兆元分の前倒しを認めた。これまで地方政府は、3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で発行枠が承認されるまで待つ必要があった。

国泰君安証券のアナリスト、Hua Changchun氏はリポートで「短期的な流動性のひっ迫は非常に強いわけではないが、1月に高まるだろう」と指摘。人民銀は不足分を埋めるため預金準備率の引き下げが必要になるかもしれないとした。

オーストラリア・アンド・ニュージーランド(ANZ)銀行(上海)の中国市場エコノミスト、Xing Zhaopeng氏は、特別債発行の影響や消費者の資金需要に対応するため人民銀が預金準備率を50ベーシスポイント(bp)引き下げる可能性があるとの見方を示した。