[ベルリン 18日 ロイター] - ドイツのIFO経済研究所が発表した12月の業況指数は96.3と市場予想を上回り、6カ月ぶりの高水準に達した。製造業が低迷する中で、ドイツ経済の底堅さが示された格好だ。

ロイターがまとめた市場予想は95.5だった。前月の同指数は95.1に上方修正された。

IFOのクレメンス・フュースト所長は声明で「ドイツ経済は自信を強めながら新年に向かっている」と指摘した。また、現在の状況と、今後6カ月の見通しの両方について改善が見られると付け加えた。

IFOがまとめる業況指数は、製造業、サービス業、貿易および建設セクターの9000社前後を対象とする調査に基づいている。

IFOのエコノミスト、クラウス・ボールラーベ氏は、第4・四半期のドイツの経済成長率は0.2%になる公算が大きいとの見通しを示した。一方で、工業セクターはまだリセッション(景気後退)局面にあり、脱却するにはしばらく時間がかかると指摘した。

第3・四半期の独経済成長率は0.1%で、堅調な輸出と財政支出に支えられ、リセッションは辛うじて回避された。

同氏は、ドイツの輸出業者は米中貿易摩擦に緩和の兆しが見られることを喜んでいるほか、英国の総選挙の結果、同国の欧州連合(EU)離脱の先行きがより明確になったと述べた。

IFOによると、製造業では現状判断が12月にやや悪化したものの、先行き判断は改善した。

ただKfWのエコノミスト、Klaus Borger氏は、最近、米中貿易摩擦に緊張緩和の兆しがみられるが、貿易摩擦が解消されたわけではないと指摘。英国のEU離脱も、強硬離脱のリスクが来年末まで延期されたにすぎないとの見方を示した。

同氏は「非常に大きな経済的なショックは土壇場で回避できたが、本格回復への道のりはまだ遠い」と述べた。

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