[ロンドン 17日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)によると、8─10月の英就業者数は2万4000人増の3280万人と、予想に反して増加した。

ロイターがまとめた市場予想の中央値は1万人減だった。労働市場の底堅さが浮き彫りとなった。

就業率は過去最高の76.2%。失業者数は1万3000人減の128万1000人。失業率は3.8%で、1975年1月までの3カ月間以降で最低となった。

英国では欧州連合(EU)離脱決定後も、労働市場は堅調に推移してきた。経営者が長期の投資よりも、解雇が容易な人員の採用を優先したことが背景とみられる。

8─10月の賃金(ボーナスを含む)は前年比3.2%増。7─9月の3.7%から急激に鈍化し、約1年ぶりの低い伸びとなった。

ただ昨年10月のボーナスが多かったことが伸び鈍化の主因で、ボーナスを除くベースでは3.5%増と、市場予想の3.4%増を上回った。7─9月は3.6%増だった。

ONSのデビッド・フリーマン統計官は「賃金は実質ベースで増加が続いているが、過去数カ月で伸びは鈍化している」と述べた。

求人数は79万4000人と、2017年8月までの3カ月以降で最低。経営者が雇用に慎重になっている可能性もある。

キャピタル・エコノミクスのアンドリュー・ウィシャート氏は「10月の予想を上回る雇用の増加は労働市場が悪化しておらず、好転し始めている可能性を示唆する」と述べた。

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